▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

ニシタチ物語(2)

《宴の形》
少人数で個室主流化

「昭和のニシタチは大口の宴会が多く、あちこちでどんちゃん騒ぎがあり活気があった」。
1947(昭和22)年から続く、老舗酒屋「たかさご」=橘通西3丁目=の3代目社長山本健治さん(67)は懐かしむ。
現在の店内は少人数の利用が主流となり、以前とは随分と様子が違っているためだ。

「平成に入ってバブル経済が崩壊すると接待は減り、飲酒運転撲滅のため飲み会の自粛も始まった。上司と飲みたがらない若者も増え、趣味やスマホに金を回すのか飲む回数も少ない。
40~50人規模の大宴会は忘年会シ-ズンを除けば激減した」。大宴会が減った理由を、山本さんはこう考える。

同店は1~3階のフロアに160人を収容する大型店。大人数で訪れる客に対応するため使っていた宴会場は、92年の建て替えを機に少人数で利用しやすいようにパーティションで仕切りを入れた。今では宴会場を利用するのは若者より高齢者が目立ち、職場のOB会や仲の良いグループが現役時代の懐かしい話に花を咲かせているという。


宮崎県内の飲食店を数多く紹介する情報誌「パ-ムス」=宮崎市=編集長の国府秀記さん(48)は
「気心知れた少人数の仲間で楽しむ、というのが時代の流れ」
と分析。

居酒屋が繁盛する条件として
1、飲み放題コ-ス
2、堀りごたつ
3、個室ー
を挙げる。「支払う金額が分かり、快適に過ごせるプライベート空間でくつろぐのがニシタチスタイル」
と解説する。

2013年7月にオ-プンしたおでんダイニング「花歩」=中央通り=は、その条件を満たす店の一つだ。客は20代半ばから60代の男性が7割を占め、85人を収容できる2階建ての店舗は、仕事帰りのサラリーマンを中心ににぎわっている。
20代からニシタチで働き念願の独立を果たした社長の神足奈歩さん(41)はにこやかに接客しながら「2、4、8人に対応する個室は平日も予約で埋まる」と、酔客はニ-ズを感じ取っている。

「昔のニシタチには、一人でもふらりと立ち寄れてくつろげる店が多かった」と話すのは、
8月に小料理屋「護隆庵」=橘通西3丁目=を開店させた池田隆二さん(46)。カウンターとテ-ブル席二つに20人も座れば満員になるコンパクトな店だが、その雰囲気に誘われて、上々の滑り出しという。

客の評判は「オ-プン直後『一人ちびちび飲める店ができてうれしい』と言ってもらえた」と池田さん。
大宴会が減り、はやりの小宴会にタ-ゲットを絞る店もあるが、
「こぢんまりした空間で知らない者同士が楽しく語らう。それもニシタチの飲み文化。しっかり継承したい」と話す。

店内に流れるのは石原裕次郎美空ひばりの曲。この趣向も、昔からの酔客に楽しんでもらえるという・

ーシリーズ続くー。