▲今日は何しに宮崎へ!▲

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都農ワイナリー開業20周年(2)

【飛躍】
ブドウ栽培、常識破る 今 年8月、都農ワインの主力商品「キャンベル・ア-リ-」がアジア最大のワイン審査会「ジャパンワインチャレンジ」で昨年に続き金賞を獲得した。

「ヒャクジ・エクストラセック・カ-ボネイティッド」も2年連続で銅賞を受賞。 約60年前に尾鈴ブドウの産地化に貢献した永友百二(ひゃくじ)さん=故人=の名前が付いたワインが、国際審査会で初めて評価された。

都農ワイン社長の小畑暁さん(58)は「金賞以上に価値がある。尾鈴のブドウが世界で評価されたことを、(墓前の)百二さんに報告したい」と喜んだ。

都農ワインが海外で知られるようになったのは2000年代に入ってから。中でも権威ある英国のワイン百科「ワインリポート」の04版には、キャンベル・ア-リ-がフランス産ワインと並び「最も興奮させるワイン百選」に選ばれた。ワイン業界を驚かせる出来事だったという。

地方の小さなワイナリーが国際的に認められる要因の一つには、常識破りのブドウ栽培が挙げられる。ブドウは一般的にやせた土地で育つといわれるが、欧州に比べて降水量が非常に多い尾鈴地区で常識は通用しない。

そこで積極的に堆肥を使って土中の微生物を活性化させる方法を導入した。結果的に木の毛細根が強くなり、健全な樹木が増え、病気にもかかりにくくなった。

都農ワインでブドウ栽培と醸造を担当する赤尾誠二さん(41)は「ブドウ栽培に関しては、当時から世界標準だった」と言い切る。赤尾さんは06年にオ-ストラリアでワイン醸造の研修経験があり「本場のオ-ストラリアでは『ワイン造りは地酒造り』と学んだ。国内外のワイン産地と比較するのではなく、その土地の特長を生かして最高のワインを造る。そのことが、都農ワインにとって大事なことだと気付いた」と振り返る。

世界へと飛躍を遂げる都農ワイン。それでも小畑さんは「世界中の誰よりも都農町民、宮崎県民が評価してくれることが最も大きい」と話す。

100%地元のブドウから「最高のワイン」を目指し、情熱を注いできた20年。赤尾さんは「ブドウ栽培や醸造技術は確かに上がってきているが、都農ワインのコンセプトは昔から変わらない。むしろ世界が追い付いてきたと思う」と控えめに笑った。

ー続くー。