▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

ニシタチ物語、新シリーズ

【夢かなえる街】―2―

仕事とサッカー両立
深尾悠斗さん(テゲバジャ-ロ選手・ワイン専門店スタッフ)

「一日一日を全力で過ごしている」。サッカー九州リ-グ・テゲバジャ-ロ宮崎でプレーする深尾悠斗さん(23)は語る。


宮崎市中央通り2丁目のワイン専門店「カ-ヴ・ドヴァン・エレヴァ-ジュ」で働きながら、市内のグランドを中心に励んでいる。


深尾さんの主な仕事は、ニシタチ周辺のバ-や居酒屋などに、ワインやたるに入った生ビールを、自転車や台車に乗せて配達すること。


時には何回も階段を駆け上がることもあり、練習後の体には、大きな負担になる。だが「筋トレだと思えば、前向きに取り組める」と意に介さない。


練習や試合に合わせて出勤スケジュールを組んでもらうなど「お店の人の協力があって、サッカーができている。それを思えば、つらいという感情は出てこない」。


それどころか、取引先の人に「頑張って」「応援しているよ」と声を掛けてもらうこともあるといい、「大きなパワーをもらっている」と笑顔で話す。


その働きぶりは、小野浩一郎店長(38)も「マイペースな部分もあるが、一生懸命。お客さんからの評判も良く『深尾君はいないの? 会いたかったな』と言われることもある」と目を細める。


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高知県出身の深尾さんが同市に移り住んだのは、大阪市産業大を卒業してすぐの昨年4月。テゲバジャ-ロ宮崎の柳田和洋代表(44)と同大学サッカー部監督が知人だったことが縁で、2016年1月下旬に同クラブの練習に参加。実力が認められ、入団が決まった。


同市清武町加納の選手寮で暮らすが、テゲバジャ-ロでの収入だけでは生活が苦しいため、午前中に練習した後、夕方から週3、4日「エレヴァ-ジュ」で働いている。きっかけは、クラブが同店から飲料水などを仕入れていたこと。入団時から勤めている。


サッカーを始めたのは、小学3年生の時。「ボールを蹴ることが面白くて、ずっと練習していた」と中学、高校、大学とサッカー一筋。「辞めることは考えていなかった」と、卒業後も宮崎で二足のわらじを履くことに決めた。


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試合観戦には、店の同僚だけでなく、取引先の人も足を運び、声援を送ってくれる。「お店を通じて知り合った仲間は、最初にできたファン。宮崎に知り合いもいなかった自分にとって、大きな存在」


クラブは昨年、九州リ-グ2位。同リ-グ優勝が参加条件で、JFL(日本フットボールリ-グ)への昇格チ-ムを決める。
全国地域サッカーチャンピオンリ-グへの出場はかなわなかった。それだけに「今年こそは結果を出して、お店を通じて関わった人たちも喜ばせたい」と深尾さんは意気込んでいる。



JFL昇格を達成し、お店のワインで祝勝会をしたいですね」と笑顔で話す深尾さん。自分自身の、そして多くの人の夢を胸に、今日も走り続ける。

シリーズ、続く。