自慢の土産物
【これがし】
(都城市・前田菓子舗)
《メモ》
黒、赤とも1枚250円。かるかん(270円)、花びらの形の花まんじゅう(8個入り360円)なども扱う。
営業時間は午前8時~午後6時。年中無休。電話0986 (22) 0799。
都城市や鹿児島県で親しまれる昔ながらの銘菓。都城市上町の前田菓子舗は130年余り、参拝客らに郷土の味を提供している。
これがしは「高麗菓子」と書き「こうらいがし」が「これがし」になったといわれている。
豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、島津氏に伴い薩摩に渡来した朝鮮の陶工たちが故郷を思い作り始めた、というから400年以上の歴史があることになる。
前田菓子舗では3代目の前田勝光さん(77)と妻のリエ子さん( 77)、次男で4代目の真也さん(49) の家族で菓子を作る。
これがしは米粉とあん、砂糖などを混ぜて蒸し、板状に成型して仕上げる。「黒」 と「 赤」の2種類あり、赤は白あんを使用。
小豆は北海道産、米粉はこれがし専用を使う。「季節によって気温や湿度は変わり、それに合わせ水の量や米粉などを変える」と真也さん。
甘味は少なく、あんが生み出すもちもちした食感が特徴。かつては盆や法事に欠かせない菓子だったといい、
真也さんは 「黒と赤は、 煎り粉餅(いりこもち)、ようかん、かるかんが入った『五切( いつきれ)』が定番だった。店がお寺に近く、今も買い求める人は少なくない」と話す。
宮崎県外の都城出身者から「お中元やお歳暮に贈るから送って」 と注文も。真也さんは「懐かしい味でもあり、若い人にもぜひ食べてほしい」と話している。