▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

ニシタチ物語

《人模様24時間》(2)
午後10時~午前2時

酔客、締めの「お約束」

週末の午後10時。ニシタチは飲食店からはき出されてくる多くの酔客で華やいでいた。忘年会と思われる十数人のグループは大きな声で一本締めをして解散。「よい年をお迎えください」と気の早い声も聞こえてきた。


午後11時前、中央通りにある「タコ焼きDON」に接待の飲み会を終えたばかりという保険会社勤務の40代女性が訪れた。
週1回は立ち寄る常連だけに待ち時間も慣れた様子で、店の横に置かれた椅子に腰掛け、出来上がるまでの約10分は店主の横山恵一さん(39)と談笑する。「家族と一緒に食べると一層おいしいんです」。そう言うと、出来上がったアツアツのたこ焼きを手にタクシーに乗り込んでいった。


横山さんによると、一番売れるのは午後11時から午前1時。「忘年会シ-ズンは休む暇もなく一日に170パック、1300個くらい焼くこともあります」


󾦀
高松町の太陽代行運転に行くと、50台弱の駐車スペースがある。日付けが変わっても、あるじの帰りを待つ利用客の車がまだ30台ほど並んでいた。平日は午後9時ごろから利用が多くなるが、この時期の週末は午前1、2時にピークを迎えるという。


午後7時から友人と飲んでいたという男性会社員(51)が戻ってきた。あまり飲み歩くタイプではなく、代行を使うのも年に2、3回程度。この日は奥さんに送ってもらえず車で来たので利用したという。「楽しく飲めました。車の中で寝ちゃいそう」。男性は赤ら顔に笑みを浮かべ愛車の助手席へ乗り込んだ。


受け付けを担当する佐伯高徳社長は「これから忙しくなる時間帯。きょうは西都まで送る2台のお客さんがまだなので、午前4時か5時まで仕事かな」と気を引き締めていた。

󾦀
午前1時。千草町のビル1階にある1962(昭和37)年創業の老舗「宝来ラ-メン」は、ラ-メンで締めようという大勢の客で席が埋まっていた。今年2月、一番街を抜けたコインパーキングの一角から現在の場所に移転した。


「雰囲気は変わったけど味は同じ。ここのラ-メンが一番でしょう」。飲んだ帰りに必ず寄るという会社員男性(35)は丼を抱え、ごくごくとス-プを全て飲み干し至福の表情を浮かべた。


この男性に「ぶっきらぼうな、おやっさんも魅力なんですよ」と言われてにっこりほほ笑むのは、店主の大山守さん。76歳となった今も、忘年会シ-ズンの週末には1日400杯近いラ-メンの注文を受け付ける。


そうこうするうちに、60代とおぼしき男性3人が、注文したビールにはほとんど手を付けないまま勘定を済ませ店を出ていった。入れ替わるように千鳥足で入ってきたのはス-ツ姿の若い男性2人。午前2時になったが、宝来ラ-メンの夜はまだ続きそうだ。

ー続くー。