▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

鶏の生食、見直しを!(2)

【食中毒対策の徹底、急務】


《鶏肉提供を国が見直し指導》

宮崎県最大の繁華街「ニシタチ」で15年以上続くみやざき地頭鶏(じどっこ)専門店。
店の看板メニューは「たたき」「さしみ」「心臓」「砂ずり」「レバー」が入った鳥刺し身盛り合わせだ。


友人ら8人で訪れた常連の40代男性は「鳥刺しは宮崎の食文化。なければ鶏の魅力は3割減」と言い切った。


同店では数年前、鳥刺しでカンピロバクタ-による食中毒が初めて発生。離れる客もいたが鳥刺し人気は根強く、すぐに客足も戻った。


店主の30代男性は「客の8割は鳥刺しを注文するし、対策は取っている。【禁止されるまでは提供をやめる気はない】」と語る。


【国や県などは鶏を生で食べないよう指導しているが、法律などで規制されているわけではないため、強制力はない】。
食中毒を発生させた店は食品衛生法によって2、3日の営業停止になるが、新鮮な肉でも感染のリスクがあり、高濃度で汚染された鶏が納入されれば対策が限られるため、「一概に店側だけの責任と言い切れない面もある」(行政関係者)という意見もある。
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厚生労働省などによると、【カンピロバクタ-は加熱すれば死滅するが、さばく際に腸を傷つけるなどして肉に付着。
切り分けたり、調理したりする過程で感染が広がる】とされる。食鳥処理した鶏肉の67%から見つかったとの報告もあり、程度は違えど市場に出回る多くの鶏肉に菌が付着している可能性がある。


県衛生課は【食中毒が減らない要因】について、「【加熱用のブロイラーが生食で出回っていること】の多い地頭鶏などには『外はぎ』と呼ばれる内臓を傷つけないさばき方を推奨しているが、強制力がないため、お願いするしかできないのが現状」と吐露(とろ )する。

※吐露(とろ)
心に思っていることを隠さず打ち明けること。



ス-パ-向けのたたき製造で県内大手の宮崎エヌフ-ズ(宮崎市、中原弘社長)は,、【生食用の鶏を専門に扱う業者から原料を仕入れ、独自の作業マニュアルや自主検査など幾重もの対策を講じ、30年以上カンピロバクタ-による食中毒を発生させていない】。


中原社長は「対策を怠っている一部業者のせいで、鶏の生食への風当たりが強まっているのは残念」と対策の徹底を求める。
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生肉をめぐっては11年、牛肉のユッケなどで5人死亡する食中毒があり、厚労省は12年に牛生レバーの提供を禁止。
豚の生レバーなども昨年禁止された。

一方、【鶏については14年、厚労省有識者会議が、牛や豚に比べると命に関わる危険性は高くないとして、今後具体的な対応策を検討するよう求めた】。


宮崎大農学部(食品衛生学)の三澤尚明教授は
「消毒薬の開発や食鳥処理場における衛生管理態勢の強化などが進められているが、食中毒のリスクをゼロにすることはできない。食べ続けるのであれば、【農家から処理・加工業者、販売店、消費者がそれぞれ正しい知識で対策し、リスクをコントロールする】しかない」と話している。

※【カンピロバクタ-】
ニワトリやウシをはじめペットなど多くの動物が保菌。
腸管内でしか増殖できず、乾燥に弱い。
人へは数百個程度と比較的少ない菌量を摂取することで感染する。

腹痛や下痢、発熱、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感などの症状が出るが、1週間ほどで治癒する。死亡、重篤例はまれ。潜伏期間は1~7日間とやや長い。

(終わり)