▲今日は何しに宮崎へ!▲

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JR宮崎駅西口再開発(5)

【まちづくり】
商店街との連携課題

「将来はJR宮崎駅周辺をIT企業の拠点としたい」。 戸敷正宮崎市長は中心市街地へのIT関連企業の誘致により、10年間で3千人の雇用創出を掲げる。

これを起爆剤に、同駅西口に建設予定の新駅ビルと既存の複合ビル「KITEN」、そして同駅の三つを中心としたまちづくりを構想に描く。

同駅の強みは宮崎空港駅から10分という近さと、バス、タクシーのタ-ミナルを備えた公共交通機関の結節点という利便性の高さだ。

戸敷市長は「空港からの近さは企業誘致の強いPR材料になる」とメリットを挙げる。一方で、中心市街地では大規模スペースを確保できるオフィスビルが不足しており、現実には3千人雇用は厳しい。

宮崎商工会議所の倉掛正志専務理事は「IT関連企業のほとんどが広い間取りのオフィスを求めている」と実態を説明する。

間取りの狭い昔ながらのオフィスビルの需要は低く、新しいビルであっても従業員を増やしたことで手狭となり駅周辺から移転する企業もあったという。

最新の災害用非常電源設備を備えたビルを求める声も多く、企業誘致を進めるにはこうした要望への対応が不可欠となる。

それだけに新駅ビルへの期待は大きくなる。宮崎商議所の米良充典会頭は「新駅ビルは最新の機能を備えることになる。大規模なオフィススペースを確保できれば、新たな企業誘致への弾みとなる」と語る。


県、市の再開発が駅周辺だけにとどまることへの懸念も強い。同駅から最も近い駅前商店街「あみ-ろ-ど」の店主らでつくる宮崎駅前商店街振興組合の黒木真治代代表理事は「駅から中心市街地への周遊性が生まれるような動線整備が必要」と訴える。

一番街と若草通りで毎月開かれる街市(同実行委主催)は2010年から年2回、駅前商店街と広島通りを加えた「大街市祭」として開催している。KITEN開業で増えた駅周辺のにぎわいを中心市街地に呼び込む狙いがあってのことだ。

黒木代表理事は「宮崎を活性化させるために、商店街、行政、JRが一体にならなければいけない」と訴える。
市全体を取り巻く経済環境も大きく変わろうとしている。同市新別府町のイオンモ-ル宮崎は18年3月に大規模増床を行い、テナント数を現在の約170店舗から約250店舗に増やす計画。
年商も現在の320億円から400億円規模への大幅増が見込まれ、消費の一極集中がさらに進むと考えられる。

市は、同駅東口と同市昭栄町を東西に結ぶ宮崎駅東通線(2・2㌔㍍)を整備し、同モ-ル周辺の交流人口を中心市街地にも流入させたい考えだ。
しかし、「全線開通は早くても10年後」(市都市計画課)。
増床した同モ-ルが数年間《一人勝ち》となる可能性もある。

それだけに同駅西口再開発では地元商店街も共存できるまちづくりが必要となる。
米良会頭は「駅西口再開発と新駅ビル建設は間違いなく将来の県都の姿を決める事業になる。地元の問題として真剣に議論しなければいけない」
と強く訴えた。

=おわり=