▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

ニシタチ物語(3)

《若手の台頭》
こだわりの店で新風

松田温郎さん(28)は中学卒業後、何軒かの飲食店で働いた後、ニシタチのバ-店に入った20歳ごろから夜の街に興味を持ち始めた。すると働きぶりが認められ、21歳の若さで店長に。
それからわずか2年後の2012年8月に独立し、ビ-ルバ-「ビアマ-ケットべ-ス」=上野町=を開店した。

店の売りは、80種類にも及ぶ国内外のビール。店内には職人らが味や製法にこだわって造るクラフトビールを中心に並べている。近年は「飲食店が提供する酒類のうちビールの割合はここ20年で6割から4割に減った」(吉野酒店相談役・寺原博志さん)といわれていることを考えると、時代に逆行している。

しかし、そのこだわりが評判を呼んだのか店内はにぎわいをみせており、松田さんも「宮崎にない新しいビール文化をつくりたい」と力強い。
ニシタチでは今、松田さんのような若い経営者たちが、自分たちなりの工夫を凝らした料理やサ-ビスで新風を吹かせている。


13年4月、スペイン居酒屋「ハイヴォレ」=中央通=を開いた西本昌義さん(38)もその一人。
西本さんは都農町出身。15歳から7年間、山口県のホテルで西洋料理を学び、さらに宮崎市内の店で12年間働いてきただけに腕には自信を持つ。人気メニューはピンチョス。肉や野菜、魚介類などさまざまな具材を串に刺した一口サイズの料理だ。
見た目がかわいく種類が多いこともあって、口コミで評判が広がった。

「(妻の真由美さんと)2人で対応できる広さと家賃の兼ね合いを考えて決めた」という店内は、カウンターや個室に26席を設け、白と赤を基調にしたおしゃれな内装で好評。週末にはよく女子会が開かれるという。


また、サ-フィンが趣味の福吉正明さん(37)は、宮崎県の海岸の波に魅せられて大阪から移住してきた。生活のためもあって大阪の焼き鳥屋で修行を積み、08年11月、貯金を元手に焼き鳥屋「しろきじ」=中央通=をオ-プンさせた。

店を構えた場所は、広さ6坪(20平方㍍)ほどの小さな店が軒を連ねる「人情横丁」という通り。店を選んだ決め手は、「調理場に立つとまだ見ぬ客の姿が浮かび、『成功できる』と根拠のない自信が生まれた」こと。
さらに、大阪で勤めていた店と同様に「ワインの飲める焼き鳥屋」としたところ、予感通り、これが受けた。


ニシタチで夢を叶えようと次々に参入する若手経営者。
同市内の店舗物件を多く手掛ける不動産業者トライスタ-=宮田町=社長の渡邉将史さん(39)は「家賃の値下がりも後押ししている」と見る。

景気の低迷もあり「2階以上の物件は10年前の7~8割。中には敷金を抑えたり、改装費の一部をビルオーナーが負担するものもある」。
福吉さんも「中心部から少し離れれば、挑戦しやすい家賃の物件は多い。意欲ある若い人にぜひもっと進出してきて欲しい」と盛り上げる仲間を求めている。

ーシリーズ続くー。