▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

見つけ出せ、ロマンの塊

『宮崎カルチャー夏旅5』
化石探訪

その巨体でかつて地上を支配していた恐竜。男ならその姿に一度は夢中になった時期があるはずだ。長い時を超えて、恐竜が確かにいたという痕跡を現代に示す化石は、まさにロマンの塊。
さすがに自宅の庭からは出ないだろうが、県内は広い。ここは世紀の大発見として化石を掘り出し、「ナリタザウルス」とでも名付けてやろうではないか。
だが、事前調査で訪れた県総合博物館で、地質担当の濱田真理主査が「それは難しい」とばっさり。本県で恐竜がいた時代の地層が見られるのは、県北のごく限られた地域だけ。しかも発見例はなし---。いきなり出ばなをくじかれたが「サメやクジラの化石は見つかったことがある。恐竜とは時代が違うが、巨大生物であることに違いはなく心が再び躍った。化石がすぐ見られるスポットを訪ねた後、有力な地点に向かうことにした。

「タイムスケジュール」
★9:30 宮日新聞社出発
★10:20 森永化石群
★11:30 瓜田ダム
★14:10 伊倉浜
【メモ】
森永化石群は森永小から北に車で5分ほど。途中、案内看板もある。マムシにも注意。
伊倉浜はJR川南駅の近く。遊泳は禁止。▽県総合博物館は20日午前10時から「採集作品の名前を調べる会」。
●ダム護岸で発見
ツアー当日。胸の高鳴りを感じながら、約530万~520万年前の貝が積もった「化石床」が見られる、国富町森永の森永化石群に向かった。現場の丘の頂上付近には、高さ2㍍以上の巨岩。期待を膨らませ表面を観察。だが化石らしきものは見当たらない。県指定天然記念物なので、割って見るのは当然ご法度。󾌣󾀅うちにヤブ蚊とアブから襲撃を受け、余儀なく撤退に。
気を取り直し、宮崎市高岡町の瓜田ダムへ。ここは周辺の岩から約700万年前のサンゴの化石が多く出ており、ダム資料館にも展示されている。ダムの護岸に用いられた石にサンゴの化石を発見した。採掘すると器物損壊になるので、写真に収めた。
●海岸からゴロゴロ
昼食のラ-メンでおなかを満たし、いざ発掘へ。東九州自動車道で有力地の川南町の伊倉浜を目指した。濱田主査によるとここの砂浜に転がる石には化石を含むものも多く、講座でもよく使う場所という。到着するとはやるキモチヲ抑えて軍手をはめ、ハンマーを持って砂浜へ。飛び散る石の破片から目を守るゴ-グルも着用。準備は完璧だ。
TUBEの曲が似合いそうな真夏の砂浜を、月ハンマー片手にうろちょろ。遊びに来ていた高校生から明らかに警戒の視線。通報されないことを願い「灰色から薄茶の砂岩」を探す。

しかし石を割っても割っても何も出て来ない。さらに上下からの熱に包まれる砂浜特有の暑さに、ペットボトルはすぐに空。やはり素人には無理か―。
諦めかけた時、一つの石が目に入った。形や大きさは他の石とほぼ同じだが、表面に白い模様。これはと思い、ハンマーでガツン。中には貝の化石が詰まっていた。
これでこつをつかんだのか、1時間ほどで多くの化石が見つかった。後日濱田主査に確認してもらうと、サルボウガイやツノガイ、何らかの植物の化石などだった。
宮崎で恐竜の化石を見つけるのは難しい。それでも童心に帰り、夢中になって探す自分がいた。

ーシリーズ続くー・