▲今日は何しに宮崎へ!▲

宮崎県内に観光や仕事、キャンプなどで来られた方々に素直な感想を 聞いています 。【宮崎】に来られる方が参考になればうれしいです。。不定期で県内各地のことも紹介します。

日向の駒、ロマンを駆ける

「宮崎カルチャー夏旅1」

『タイムスケジュール』
★9:00 宮日新聞社出発

★9:15 宮崎神宮

★9:50 JRA宮崎育成牧場

★11:55 鵜戸神宮

★12:45 駒宮神社

★15:10 都井岬
【メモ】
都井岬ビジターセンター
開館9時~17時15分。
はがきやストラップ作り体験も。
一般310円、小中学生200円。月曜休館。
電話0987(76)1546。


馬ならば日向の駒ー。国内に現存する最古級の歴史書・日本書記にこんな一文がある。
1500年近く前の推古天皇時代に宮崎が馬産地として名をはせていたとは---。
目を閉じるとさっそうと駆ける馬の姿が頭に浮かび、ロマンを感じてきた。
県内には、流鏑馬(やぶさめ)やシャンシャン馬など馬が関係する行事も多い。うまに乗り---とはいかないが、車でゆかりある地を巡りたくなった。

サラブレッド悠然
7月中旬の午前9時、宮崎市の宮日新聞社を車で出発した。15分ほど走り、春に流鏑馬が行われる宮崎市宮崎神宮で道中の安全祈願。鎌倉時代の狩り装束で馬に乗って駆け、次々と矢で的を射抜く姿を想像すると本物の馬に会いたくなった。
そこで同市花ヶ島町のJRA宮崎育成牧場ヘ。ここは人が手掛けた最高傑作の競争馬サラブレッドがいる。
場内でポニー2頭の歓迎を受けた後、馬術競技場で職員を乗せ悠然と歩くサラブレッド2頭に遭遇。ぴかぴかの毛づやに筋肉隆々。1頭はブラニ-スト-ンという名で、競馬の三冠王オルフェ-ヴルのフランス凱旋門賞遠征に帶同した馬。
時間が合えばこういったサラブレッドを見られる。

育成牧場を出て日南海岸を横目に国道220号を南へ疾走。かってシャンシャン馬の新婚旅行で沸いた日南市宮浦の鵜戸神宮、シャンシャン馬発祥の地という同市平山の駒宮神社に寄り、人生初の三社参りをした。

●たくましい御崎馬
串間市街地を通り最終目的地の都井岬に午後3時すぎ到着。
野生馬103頭がすむ550㌶の牧場に入るとすぐに草地で親子3頭の野生馬がのんびり食事。天敵もなく、大海原をバックに気分はパラダイス?その姿に癒されて都井岬ビジターセンターに着くと職員の甲斐崎絵美さん(33)が迎えてくれた。

馬の剥製や都井岬の模型、資料を基に甲斐崎さんが施設案内。御崎(みさき)馬は江戸時代に軍馬や農耕馬として当初から自然のまま放牧、生産されたため、姿や習性など野生の状態を保っているという。1953(昭和28)年に国の天然記念物に。
野生の厳しさも触れる。
毎年生まれる子馬(15~20頭)の三割は衰弱などで命を落とす。人が助けることはない。また1頭の雄を中心に5~10頭でハ-レムをつくるが力が弱い雄は孤立し、強い雄もグループを守る戦いを強いられる。パラダイスには遠い。

「へぇー」を連発する中、甲斐崎さんが「木曽馬や道産子など野生馬はいるが、御崎馬は脚が細くて日本一かっこいい」。甲斐崎さんの母親のような愛情に「へぇー」である。

御崎馬にとって一等地のえさ場の小松ケ丘の斜面に甲斐崎さんと上がった。久々の晴れ間で食事に夢中なのか、四つほどのハ-レムが一緒に草を食べている。「けんかせず珍しい」と甲斐崎さんも目を細める。蹴られないようそっと近づいた。サラブレッドと比べて見た目は不恰好。だが、海に囲まれた都井岬の大地を踏み締め、たくましく血を受け継いできた姿には敬意を覚えた。
馬ならば日向の駒---そう思い帰路に就いた。


ーシリーズ続くー。